◆議事録◆ いけばな華贈り 第4回 オンライン未来会議 10月27日(水)19:30

第4回は、池坊と草月流と、流派を超えたメンバーがご参加くださいました。
また、華道いけばなのマインドフルネス効果を研究されている方もいらっしゃいました。立場が違っても、華道いけばなの必要性を感じるもの同士、相互に意見を交わしました。

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■実施日   2021年10月27日(水)19:30~20:30    
■主催    いけばな華贈り事務局
■参加メンバー 6名 

■会議テーマ  『過去100年の華道の歴史を振り返り、未来につなぐ!』 

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1.「いけばな史の100年をふりかえって」
・国が安定しているときはいい本が出ているように思われる。
・いけばな人口のピークは1970年代、沖縄返還の前後、290万人と言われる。かつて、宮中や武将がいけていた雅びな世界を一般人も体験できる、ということでブームに。また花嫁修業としても流行。
・1990年代、バブル崩壊後にいけばな人口が激減。現在5万人を切っているか。
・戦国武将が戦に行く前に花をいけていたと言われているが、それは現代の経営者が花をいけることにつながる気がしている。歴史書など資料はあるのか? 京都の池坊資料館を閲覧可能か?

2.「現在のいけばな人口減少の理由は?」
年功序列のため、若い人を育てることをしていないからではないか。活躍している先生のお弟子さんたちが、活躍する前に辞めてしまうという現状がある➤未来のステップが見えるようなもの、目標があれば続くのではないか
・生活様式の変化で、花嫁修業としても「フラワーアレンジメント」という選択肢が増えた
・華道い
けばなは、女性限定のイメージが強い➤もっとみんなのものになり、生活の中に溶け込んでいくようになるとよい

3.「伝統か? カジュアルか?」
カジュアル、手軽さは必要な一方、伝統文化としての重みを失いたくないと思う。
・茶道では、「テーブル茶道」が増えているが、賛否両論があり。「きっかけはカジュアルに。教えることはしっかりと。」という声が多数。判断は、各々の茶道の先生に委ねられている実情。
・個人的には気軽にできるのが良いと思う。在宅で植物を買う人が増えているし、興味を持てば家で華道をする人も増える。「華道を学びたい人」と「いけばな作品を作りたい人」を分けるといいのでは?
学校華道では、いけばなと華道を分けて教えている。「いけばな」は草木の命をいける行為、「華道」は人としての道や精神性。深く話すとめんどうがられるので、少しずつ伝えるのがよいと思う。
・礼儀作法が身につくから、という理由では今の若い人はやらない。いけばなに求めるものはそれではないので、若い人にとってピンとくる「こういういいことがあるよ!」というのをもっと拾っていきたい。
・教
育方針も変わってきている。華道のベテランの先生達は「教える」ということに、危機感を持って指導する必要がある。伝統文化はどうしても「ダメ」から入ることが多いけれど、それでは、若者はついてこない。大人だからプライドがある、伝え方に工夫が必要。 

4.「一人ひとりの発信が許されている時代、今後何をやっていくか?」
・これまであまりやってこなかった、メディアを使ったプロモーション
本部にリードしてほしいが、本部だからこそできないこともある。これまで、下々の者達がもりあがって本部がOKを出す、という形で物事が変わってきた。
「京都が雅な場所」という感覚に、マーケティング的に対抗できるのは、人口の多い東京。伝統文化の継承には、花屋や生産者と連携し守ることも大切。ムーブメントを起こしたい。

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●これまでの未来会議の内容は、以下でご確認いただけます。

第3回未来会議 議事録  『SDGs視点での華道いけばな』
第2回未来会議 議事録  『いけばなのブランド力とは?』 
第1回未来会議 議事録  『いけばなでオンライン化したら良いことは?』他

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